橋本進吉「表音的仮名遣は仮名遣にあらず」

前に『橋本進吉博士著作集』を電子化する計画を立ち上げたときに少し進めたのですが、今年の五月から国会図書館が www.ndl.go.jp という歴史的大偉業を成し遂げたので、橋本進吉博士著作集. 第3冊 (文字及び仮名遣の研究) - 国立国会図書館デジタルコレクシ…

最the高

四音の「勿論」の間に「の」を入れて「もちのろん」の五音にすることで語調を整える現象は古くから知られていますが、それを「最高」に適用した「最の高」を部分的に英語で言い換える「最of高」という表現が出てくるのもまた自然な話でしょう。この of を th…

曲面に沿って運動する質点の束縛条件

よくある話 『新・物理入門』には次のような記述があります。 固定されたなめらかな斜面(傾き $\theta$)を物体 $m$ がすべり落ちる例を考える……水平に $x$ 軸、鉛直下向きに $y$ 軸をとれば…… $m$ がつねに斜面上にあるということから $$y=x\tan\theta\qua…

理論物理への道標 問題 1.14 II への疑問

『理論物理への道標』問題 1.14 II の解答には疑問があります。 図 1 II 小物体 A が速さ $V$ で半径 $r$ の等速円運動をしている最初の状態で、端点 P に質量 $M$ のおもり B を吊るしたら、B は静止した。そこで、B をゆっくり $a$ ($\ll r$) だけ引き下げ…

理論物理への道標 問題 1.1 (3) の誤り

『理論物理への道標』問題 1.1 (3) の解答には誤りがあります。 問題 1.1 地上から高さ $h_0$ のところから人が初速 $0$ で落下を開始し、高さが $\dfrac{1}{2}h_0$ になったとき、身につけていたパラシュートを開き、最後には、落下の速さが高さ $\dfrac{1}…

Twitter 読点主題構文

Twitter は文字数を 140 字に制限する不自由さを課すことによって、俳句や短歌のように、却って豊かな言語活動を生み出すに至ったと言えるでしょう。かなり前にこういう考察を書きました: all-for-nothing.com 「偉いので X した」構文はおそらく知名度が極…

Leipzig.js: ブラウザ上で言語学のグロスを実装する

ブラウザ上で言語学のグロスを実装するのは困難でしたが、Leipzig.js のおかげで非常に簡単に美しく表示できるようになりました。名前の由来はもちろん Leipzig Glossing Rules と JavaScript の拡張子 .js です。 Die Umgangssprache ist ein Teil des mens…

誑かしと戸惑い

そういう議論をするなかで、圏論の概念(私はほんの少ししか知らないが)は美しく、認知科学のモデルにも利用できたら面白そうだが、安易に利用できるとは言えない、という実感を持った。一方で、圏論を用いた認知の研究を研究会等で発表すると、近年の圏論…

sec, cosec, cot, crd, versin, haversin, exsec, ...

そのi鋭角の一方が $\theta$ である直角三角形i*1はすべて相似なので, 斜辺・対辺・隣辺のうち二つの辺の比は $\theta$ の関数として well-defined であり, その選び方は ${} _ {3}\mathrm{P} _ {2}=6$ 通りで $\sin$, $\cos$, $\tan$ の他に $\sec$, $\cose…

www の有無に関わらずアクセスできるようになりました

はてなブログが 2020/04/23 までサブドメインを付けることを要求していたことの名残りで、本日まで www.all-for-nothing.com だけでしか本ブログにアクセスできず、all-for-nothing.com からのリダイレクトを設定するのは面倒くさがっていました。 一般に「…

英文解体新書2 5.5 例題4 への補足: 相関型関係節構造

時間と懐にあまり余裕がなかったので遅くなってしまったのですが、ようやく北村 (2021) を買うことになりました。個人的な感想としては、ツイートですでに読んだことのある事項や文が多かったのですが、何と言ってもこのような本が一般書として売られたとい…

道管と師管の覚え方

維管束植物は全植物種の約 93 % を含み、単一のクレードを形成しますが、維管束を構成する木部と師部のどっちがどっち側にあるのか忘れがちなので思い出し方をメモしておきます。 まず非常に重要なポイントとして、「師部」はもともと「篩部」と書かれていた…

「進化」の対義語は?

当たり前ですが「進化」の対義語は「退化」ではありません。退化も進化だからです。 detail.chiebukuro.yahoo.co.jp どこにもそう書かれていないので不安だったのですが、生物屋の方々に聞いてみて確信を得たので述べますと、正解は「Hardy–Weinberg 平衡」…

EGA: 代数幾何学原論

代数幾何学原論 A. GROTHENDIECK J. DIEUDONNÉ との共同執筆 序文 Oscar Zariski と André Weil へ 本論文とそれに続く多くの論文は, 代数幾何学の基礎に関する概論となることを意図している. 原則としてこの分野に関する特別な知識を何ら前提にせず, またそ…

フランス語における parallelism

高一の頃に書いたメモが見つかったので本質的な部分だけ紹介します。ボードリヤール『消費社会の神話と構造』の冒頭一文目です。 Il y a aujourd’hui tout autour de nous une espèce d’évidence fantastique de la consommation et de l’abondance, constit…