no 69(四月二十七日)十一、二歳のころ、(マンドの近くにある)リュクロの強制収容所に監禁されていたときに、コンパスで図を描く遊びを発見しました。特に、コンパスの開きを円周上に六回移していって出発地点にぴったりと戻して、円周を六つの等しい部分に分けることにより得られる、六つの枝を持ったバラ模様に魅了されました。このように実験に基づいて確認することで、円周の長さは半径のちょうど六倍に等しいのだと確信しました。
訳注:seed of life
その後に(最終的に通学することになったマンドの高校でだと思いますが)、この関係が教科書の中ではさらにずっと複雑なものとみなされており、$\pi=3.14\dots$ に対して $\ell=2\pi R$ となるのだと書いてあるのを見ました。そのとき、この本は間違っており、著者は(そして古代からの先人もおそらく!)単純に $\pi=3$ であることを明白に示すこの非常に単純な作図をしたことがないに違いないと確信しました。典型的な話ですが、私が(弧の長さとその端点を結ぶ弦の長さを混同していたことが原因で)間違っていたのだと気付いたのは、ある人(私に無償で数学とフランス語の特別授業をしてくれた監禁中のマリア)になぜ $\ell=6R$ となるのかをまさに示そうとする瞬間、先人が無知であったことに驚いたのだと打ち明けようとしたときでした。