グロタンディーク全訳計画

資料一覧

原文や英訳は Mateo Carmona 氏が運営する次のサイトをご覧ください。

agrothendieck.github.io

ただし SGA4½ は載っていません。

現存する和訳の一覧は次の通りです。

EGA I, II, III には中国語訳が存在し、それぞれの ISBN は 9787040506549, 9787040526141, 9787040552089 のようです。

訳者より

2021 年 8 月現在、日本語で読めるスキーム論に基づいた代数幾何学の文献で、入手しやすいものはハーツホーンと上野とマンフォードだけである。まずハーツホーンは三分冊になっており非常に携帯性が悪く、しかも第一巻はオンデマンド印刷になってしまったので書店にちゃんとセットで並んでいることは珍しくなってしまい、4180 + 2640 + 3520 = 10340 円と非常に高価である。上野は当初三分冊で刊行された後に単行本となったが、しばらくして絶版になってしまった。マンフォードは 2017 年に出版され、今のところは流通も問題なく 6050 円で購入できる。一方で Grothendieck の EGA は(彼の遺志に反して!)インターネットで無料で読むことができる。他にも Stacks Project などが無料で読めるが、これは本当に百科事典的であるのに対し、EGA はちゃんと読むことができる本である。

I know it's a scary 1800 pages of French, but

  1. It's really easy French. I would describe myself as not knowing any French, but I can read EGA without too much trouble.
  2. It's extremely clear. The proofs are usually very short because the results are very well organized.
  3. It's the canonical reference for algebraic geometry.
I assure you it is not 1800 pages of fluff. I've found it quite rewarding to familiarize myself with the contents of EGA. Many algebraic geometry students are able to say with confidence "that's one of the exercises in Hartshorne, chapter II, section 4." It's even more empowering to have that kind of command over a text like EGA, which covers much more material with fewer unnecessary hypotheses and with greater clarity.

自信のある人は悪いこと言わないのでとりあえずGrothendieckというかEGAとかSGA, 柏原-Schapira, Gaitsgory, Lurie, Costello, Scholtz, 深谷賢治のように長くて深い重要な本を書く人たちの著作を追ってください。一部分でもちゃんと理解できれば研究上で大きな力となるはずです。

一つの例を挙げよう.自分はSGA4を読んだとき,強い衝撃を感じたのを覚えている.というのも,まずそれ以前に自分はSGA4は「はじめてtopos理論が導入され,それらを用いてエタールコホモロジー理論を展開したもの」という話を聞いていただけった.それだけに「そこで展開されるtopos理論はまだまだ原石で,粗削りなものだろう」という印象を勝手に抱いていた.
それが蓋を開けてみると,その完成度はすさまじいものであった.のちにLawvereやJohnstoneなどによって展開されるElementary toposや圏論的論理学との関係に関していえば”Sheaves in Geomery and Logic”や”Topos theory”の方が優れているといえるが,純粋にコホモロジー論などの数論幾何への準備としてのtopos理論は未だにSGA4が最高の本であると思う.

紙面の都合を考えれば当然 EGA や SGA の翻訳など無理筋に決まっているのだが、2018 年に Stacks Project のフレームワーク Gerby を使って EGA を英訳するプロジェクトが始まった。現在かなりの部分が快適に英語で読めるようになっており、このようなサイトが日本語で読めるようになれば代数幾何学の学びやすさは格段に向上することが間違いないだろう。