『言語学第2版』の細かい誤植

26ページ下から5行目 (28)は(29)の誤植です. 194ページ16行目 「神の矢はkêla(中性複数)陣中を」は「神の矢はkêla(中性複数)theoîo陣中を」の誤植です.

英文解体新書 第1.3節 例題3の誤読

概要 『英文解体新書』第1.3節例題3には誤読が存在します(下線引用者)。 Relative to our present sensory experience, there is much about the physical objects we ordinarily speak of which is not manifest. For example, at any one time I can see…

BLT1 誤植一覧

メモが散逸する前に BLT1 の誤植や不注意と思われる箇所を一覧にしておきます.ただし,たとえば次の p. 139 のような根本的に修正した方が良いような箇所については,キリがないので省略してあります. When a man refers to a woman as his girlfriend, th…

『収穫と蒔いた種と』第4巻が国立国会図書館デジタルコレクションに

アレクサンドル・グロタンディーク 著 ほか『埋葬(3)あるいは四つの操作 : 一数学者のある過去についての省察と証言』,[辻雄一],[1998]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13059516 (参照 2024-02-10) 公開範囲は国立国会図書館…

BLT1 §2.4 での二項論とチョムスキーへの批判

今まではつまみ食いだけしていたBLT1(Basic Linguistic Theory: Volume 1 Methodology)を最近は精読していますが,BLT1 §2.4 での二項論批判(70〜71ページ)が少し読みづらかったので,覚書を残しておきます. If one tries hard enough, a multilateral …

『言語学第2版』第2〜4章は読むべきではない

言語学の標準的な教科書である『言語学第2版』には,現代的な観点からはいくつかの問題点が認められています。この記事では,初学者の困惑や誤解を防ぐために,第2〜4章の町田(2004)の問題点を重要度に応じて星の数を増やしたうえで列挙いたします.ただし…

『言語学第2版』第1章の問題点

言語学の標準的な教科書である『言語学第2版』には,現代的な観点からはいくつかの問題点が認められています。この記事では,初学者の困惑や誤解を防ぐために,第1章の松村(2004)の問題点を重要度に応じて星の数を増やしたうえで列挙いたします。 この記事…

『言語学第2版』第5章の問題点

言語学の標準的な教科書である『言語学第2版』には,現代的な観点からはいくつかの問題点が認められています。この記事では,初学者の困惑や誤解を防ぐために,第5章の松村(2004)の問題点を重要度に応じて星の数を増やしたうえで列挙いたします。 この記事…

『新・物理入門』では月面に立てた旗が太陽光をはためかせる!

後輩から山本義隆『新・物理入門』の286ページにある次の記述について質問されました. 光が物体に力を加えることは,現代では,たとえば空気のない月面に立てた旗が太陽光ではためいたり,大きくて軽い人工衛星(風船衛星)の軌道が太陽光の圧力で少しずつ…

Exploring Language Structure と格闘する学生たち

all-for-nothing.com ここでも紹介したように、東京大学大学院人文社会系研究科の言語学研究室が出しているガイダンス資料の「言語学を学ぶ参考情報 (2/2)」(p. 19)に「言語分析」の資料としても挙げられている Payne, Thomas Edward. 2006. Exploring lan…

Cohenは連続体濃度が到達不能基数だと考えていた

最近いろいろとあって連続体濃度について考える必要が出てきたので,そういえば集合論者の人々はどう思っていたんだっけなと調べ直してみた. Cantor は $\aleph_1$,Gödel と初期の Woodin は $\aleph_2$,近年の Woodin は $\aleph_1$ と考えたらしい.要…

デルタ18面体は存在しない:フロイデンタール・ファンデルヴェルデン「あるユークリッドの主張について」

訳者序 本稿は Freudenthal, H; van der Waerden, B. L. (1947). “Over een bewering van Euclides” (“On an assertion of Euclid”), Simon Stevin, 25: 115–121 の日本語訳を 10 年留保によって公開したものである.本文中の訳注は亀甲括弧〔……〕に入れて提…

K会数学科カリキュラムの体験談

どうにも年を経るにつれて少しずつ思い出に綻びばかりが目立つようになるようなので、青春時代の良い思い出の大きな一つとして河合塾K会の数学科のカリキュラムを受講したときの感想でも書き記しておこうと思います。 www.kawai-juku.ac.jp 今は名称と現代数…

『TeXブック』の delimited parameter の誤訳

TeX

今年の三が日は shukutoiya と『$\TeX$ ブック』のゼミをしていましたが、得られた結論は「この本はまったく説明になっていない」でした。 はっきりいって、Knuthは、コンピュータ・サイエンティストとしてはセンス・ゼロ、要するに馬鹿である。それは、あの…

岩波文庫『不完全性定理』の誤訳……?

問題 以下は、Kurt Gödel が 1931 年に出版した論文 Über formal unentscheidbare Sätze der Principia mathematica und verwandter Systeme I の第三段落です(ただし、ゲーデル全集を底本としたうえで、いくつかの致命的な誤植を修正してあります)。下線…

東大言語学 院試(博士)2017-4

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2017-4 は、ある言語(言語名は今のところ特定できていません)の所有表現の構造と形態音韻的な規則を分析させる問題です。 間違いや不適切な点があれば、コメント欄やお問い合わせフォーム、Twitter …

ポプテピピックPV ロシア語 グロス付き対訳

誤りや不適切な点が含まれていた場合には、ご報告いただけると幸いです。グロスの振り方は、風間伸次郎『28言語で読む「星の王子さま」 世界の言語を学ぶための言語学入門』に則ります。 www.youtube.com Конечно, это же японское сокровище. конечно эт-о …

minphonfeat: 最小の弁別素性や自然類を Python で自動決定する

Hubie Chen and Mans Hulden. 2018. The Computational Complexity of Distinctive Feature Minimization in Phonology. In Proceedings of the 2018 Conference of the North American Chapter of the Association for Computational Linguistics: Human La…

国際言語学オリンピックの解説リンク集

IOL Sample Problems は別に入れる必要がないと思ったので、このリンク集からは省いています。日本語で書かれた解説はことはじをご覧ください。 他にもIOLやAPLOの解説がありましたら、ぜひご教示ください。 英語 IOL 2003-1 Transcendental Algebra – an I.…

私の学問観2022

King Gnu の “Teenager Forever” には十代にしか歌えない響きがあったはずなのに、今年でついにその想いを放棄しなければならなくなりました。十代の苦しみをもう一度体験することだけは嫌なので、この一方向性そのものには罪はないどころかそれ自体が救いで…

Zoom に自動で参加するには

メモ.Mac での設定.Automator でカレンダーアラームにより open "zoommtg://zoom.us/join?confno=<ミーティングID>&pwd=<パスコード>" というシェルスクリプトを実行させればよく,環境設定で指定時間の数分前にスリープが解除されるようにしておけばよい.

高速道路のカーブの設計(東大後期 総合科目II 1996-2)

少し前に曲率の説明をする機会があり,その際に次の問題を紹介しました.書いておかないとどうせ忘れるので,メモしておきます. 高速道路のカーブの設計を考える.この際,自動車の運転者にとって運転しやすい自然なカーブ形状が望ましい.そこで,自動車の…

JMO 2017-本選-1 と TOT 1998-秋SA-1(b)

数年前に友人が面白がっていた事実を久しぶりに発掘したのでメモしておきます: 1. $a$, $b$, $c$ を正の整数とするとき, $a$ と $b$ の最小公倍数と, $a+c$ と $b+c$ の最小公倍数は等しくないことを示せ. 第27回(2017年)JMO本選の問題 【基礎 1.7.11】(199…

東大言語学 院試(博士)2018-4

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2018-4 は、ある膠着的な言語(言語名は今のところ特定できていません)において主語と目的語の接辞が付加された動詞の内部構造を分析させる問題です。 間違いや不適切な点があれば、コメント欄やお問…

東大言語学 院試(博士)2022-3:ワルング語

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2022-3 は、ワルング語の再帰や逆受動を表す形態素 -gali を分析させるものです。 間違いや不適切な点があれば、コメント欄やお問い合わせフォーム、Twitter の DM などでぜひご教示ください。 問題 …

東大言語学 院試(博士)2020-3:クルンフェ語

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2020-3 は、クルンフェ語のある名詞クラスにおける単数形と複数形を単一の基底形から導く音韻交替規則を考察させる問題であり、Odden, D. (2013). Introducing phonology (2nd ed.). Cambridge Univer…

東大言語学 院試(博士)2020-4:マドゥラ語

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2020-4 は、マドゥラ語の接尾辞 -e と -agi がどのように語順のパターンの違いを生み出すのか考察させる問題です。 間違いや不適切な点があれば、コメント欄やお問い合わせフォーム、Twitter の DM な…

東大言語学 院試(博士)2021-4:所有者繰り上げ

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2021-4 は、ある膠着的な言語(言語名は今のところ特定できていません)での所有者繰り上げ (possessor raising/ascension, external possession) を分析させる問題です。 間違いや不適切な点があれば…

東大言語学 院試(博士)2022-4:形容詞のない言語

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2022-4 は、ある言語(言語名は今のところ特定できていません)に形容詞という語類を設定することの妥当性を論じさせる問題です。名詞や動詞が普遍的に認められる語類であるのに対し、形容詞が普遍的…

東大言語学 院試(博士)2017-3:比較言語学

東京大学言語学研究室の大学院博士課程の専門科目問題の 2017-3 は、三つの言語群の系統関係を語彙セットの比較によって論じる比較言語学の問題です。 間違いや不適切な点があれば、コメント欄やお問い合わせフォーム、Twitter の DM などでぜひご教示くださ…