2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Basel 問題

問題1. (1990年 東工大後期 第2問) $n$ を $2$ 以上の整数とする. (1) $n-1$ 次多項式 $P_n(x)$ と $n$ 次多項式 $Q_n(x)$ ですべての実数 $\theta$ に対して $$\begin{aligned} \sin(2n\theta)&=n\sin(2\theta)P_n(\sin^2\theta),\\ \cos(2n\theta)&=Q_n(\s…

望遠鏡和による (等差)×(等比) 型数列の和の導出

数列 $\lbrace (ak+b)r ^ k\rbrace$ (ただし $r\neq1$ とする) の和 $$S _ n=\sum _ {k=1} ^ n(ak+b)r ^ k$$ を求めることをよく考える機会があります. 一般的には「公比を掛けて差を取る」という方法が紹介されていますが, これは添字の管理が非常に (特に…

まだロピタルの定理で消耗してるの?

メモを整理していたら, 大昔に友人に $$\lim _ {x\to0}\frac{x-\sin{x}}{x ^ 3}$$ を l’Hôpital の定理を使わずに教えてくれと聞かれたことをふと思い出しました. 当時の自分は次の画像を作って送ったようです. こんなパズルみたいな計算は嫌なので l’Hôpita…

受験数学における束 (pencil) について

束 (pencil) とは射影幾何学に由来する概念であり, もともとは Desargues の用いた ordonnance に端を発していますが, 代数幾何学における 1 次元の線形系も線形束 (linear pencil) と呼ばれています. ここではそのような射影幾何的・代数幾何的な背景には立…

Feynman の微分法 +α

Feynman は複雑な関数を微分する際に対数微分法を応用した手法を考案しました. 本稿では少しの改善を加えて具体例とともに Feynman の微分法を紹介します.