再生核 Hilbert 空間について勉強していたら再生性の定義で $\langle f,k(x,\cdot)\rangle_{\mathcal{H}}=f(x)$ という式が出てきて, ふと「プレースホルダーを $\TeX$ 打ちするのはどうするのがいいんだっけな」と思いました. この場合は \cdot
でよいのですが, コード上も見にくいし, 何より数式としても「ここに入れるんですよ〜」感が薄い気がします. やっぱりダッシュが一番いいと思うのですが, これを \text{---}
とかやってはいけないし, かといって単に -
とするとコード上は「マイナス」と区別がつかないし, 何より存在感が薄い. 頑張って調べたら, やっぱりみんな同じことを思っていました.
ここにあるように \newcommand{\blank}{{-}}
とすれば $\langle f,k(x,{-})\rangle_{\mathcal{H}}=f(x)$ も $\langle f, k(x, \blank) \rangle_{\mathcal{H}} = f(x)$
となって非常に良いです.
追記. 木枝祐介『数式組版』を見ていたら \textendash
を使えばワイルドカード(プレースホルダー)$\text{\textendash}$ がコード上で理解できる形で出力できると書いてありました。ちなみに、$\KaTeX$ では \text{\textendash}
とします。
もう一つ重要な注が付いていました:
注 I.11:ワイルドカードとしては,アスタリスク(
\ast
,*
:$\ast$)が用いられることが多い.なお,ast
と*
は,デフォルトでは二項演算子として定義されている.ワイルドカードとして直接使用する際には,{\ast}
や\mathord{*}
のようにスペーシングを制御する必要がある.マイナス記号か en dash かに限らず,一般に区別がつきにくい記号の使用は控えたほうがよいであろう.(p. 257)