Cavalieri の原理を適用することを一般に等積変形といい, 平面上の場合はとくに「トントン」という、すど氏による俗称があります. トントンは曰く「平方完成(頂点位置制御)・接線・面積・解の位置制御を全部カバーする考え」であり, その基礎的な手法は次の2ツイートで解説されています.
本日のまとめ画像です。(Periscopeのアーカイブって何か生主の側で設定しないとみられなかったりします?) pic.twitter.com/eHWmaOFWDL
— すど (@ysmemoirs) 2020年3月30日
本日の素敵なまとめ画像(@stephen_dole さん,ありがとうございました。大変おいしゅうございました) pic.twitter.com/XLlPoVsdsd
— すど (@ysmemoirs) 2020年3月31日
また, 次のような面積が不変な変換 (筆者は平面幾何的な直観に乏しいので変換行列の行列式が $1$ であることから不変性を理解しましたが) によって最大最小問題を簡潔な場合に帰着することをトントンと解釈することもできます.
なぜトントンすればうまくいくと確信できたのか,動機がつかめない……と思ってたら,そうか X+Y 軸と X-Y 軸を取れば素直な楕円,という話と基本は同じってことですね(?) https://t.co/5UjcDG0Ny2
— すど (@ysmemoirs) 2020年4月21日
さらに Cavalieri の原理は積分論を使わずに様々な立体の体積を求めることができるので「球や錐体の体積は積分を勉強しないと求められないから覚えましょう」が通用しなくなります.
直方体に帰着させれば良いです.
正方形を底面とする正四角錐は $6$ つ集めると立方体になるので体積が求まるので, そこに帰着させれば良いです.
半径 $r$ の円を底面とする高さ $r$ の円柱から半径 $r$ の円錐をくり抜いた立体は, 半球 $r$ の半球と切り口の面積が等しいので, 命題3を用いて $2\left(\pi r ^ 3-\dfrac{1}{3}\pi r ^ 3\right)$ となります.
ちなみにいわゆる Pappus–Guldinus の定理「回転体の体積=断面積×重心の軌跡の長さ」は Cavalieri の原理をイメージするとより実感が湧くはずです. 問題5は積分計算に持ち込んでミスするよりも形を見て結論がわかると楽です (答案に書く際にはどちらの方が楽かは状況によりますが).