2020-01-01から1年間の記事一覧

wah fi see di ting u have weh mek mi feel week girl

最近友人とクレオールについて議論することが多かったので、中学生のころによく聴いていた Sia の Cheap Thrills ft. Sean Paul の一節をもとに遊んでみました。一応問題形式になっていますが試験問題としてではなくあくまでも問題形式として解説しようとい…

多角形の自由度

数理哲人氏という方が学びエイドで「数理哲人の闘う数学【特別講座】戦後の東大」というマニアックな講座を開講なさっているのですが、そこで扱われていた次の問題がどうにも分からず一度挫折してしまいました。 1946年 帝大 工学部 第1問 同一平面上にある…

Cavalieri の原理 (トントン) で積分論を使わずに直交する円柱の共通部分の体積を求める

定理1. (Cavalieri の原理) $A$, $B$ を平面・空間上の図形, $l$ を直線とする. $l$ に垂直な直線・平面が $A$, $B$ によって切り取られる長さ・面積の比が常に $a\colon b$ ならば, $A$, $B$ の面積・体積比は $a\colon b$ である. Cavalieri の原理を適用…

整数の離散性

整数は幅 $1$ で均一に分布し, それを整数の離散性という……何を今更当たり前のことを, と思うかもしれません. 問題. (1991年 東大理系 第5問) $xy$ 平面上, $x$ 座標、$y$ 座標がともに整数であるような点 $(m,n)$ を格子点とよぶ. 各格子点を中心として半径…

ヘブライ文字の書き方?

どんな文字もそうですけど、活字体と筆記体は割と乖離が大きいことが多く、特にラテン文字に関しては中学生が最初にぶち当たる壁の一つなのではないかと思いますし、キリル文字なんかはうにゃうにゃが多すぎて「適当にグリグリ書いてロシア人に見せたら単語…

線形漸化式の一般解

数列 $\lbrace p_n \rbrace$, $\lbrace q_n \rbrace$ に対し $$a _ {n+1}=p_n a_n+q_n$$ を線形漸化式というとき, 数列 $\lbrace a_n \rbrace$ の一般項を求めてみたい. ここで $p_n=0$ となる $n$ があれば, それは初項 $q_n$ の線形漸化式とみなせるので任…

on the contrary と to the contrary の違い

この二つを適当にしていたので反省の念も込めて整理しておこうと思います。 on the contrary 主に文頭で文修飾の副詞句として働き、前文の内容に対立させる場合は「それどころかむしろその反対で」「別の見方をすれば」と、相手の言葉に反論する場合は「とん…

「〜するとすぐに」の意味を持つ英語表現

受験英語で非常によく聞かれる「〜するとすぐに」については、現代英語レベルでは次を押さえておけば完璧です(もし本質的な抜けがあれば是非コメントをお願いします)。 SVを伴う as soon as the moment the instant the minute the second instantly direc…

ノミネート法

注意書き 清史弘 (2003) を読み終えたのですが, 解の配置は割と多くの参考書でも確立されているようなことが多かったのに対し, 2.4 「ノミネート方式」についてはネット上でも情報がほぼ見当たらない上に, 現在出版されている 清史弘 (2016) の p. 114 にし…

解の配置問題 集大成 〜なぜ判別式・グラフの軸・両端の値を考えるのか〜

はじめに $2$ 次関数 舞台設定 武器 解の公式 解と係数の関係 パラメータ分離 (定数分離) 一般論 $0$ 個 $1$ 個 開区間 閉区間 $2$ 個 開区間 閉区間 重複度含め $2$ 個 少なくとも $1$ 個 開区間 閉区間 $3$ 次関数 演習問題 参考文献 はじめに 解の配置問…

iPhone の Safari でも数式を綺麗に閲覧する方法

iOS 11 まではこんな汚いフォントではなかったのですが、実は画面をぽちぽち押していると変更できます。1回目から微妙な間隔を開けて2回目を押し続ける必要があります。サイトのどこかで適用すれば全部で適用されるので、上手く反応するところを探してみまし…

なぜ 1 は素数ではないのか?:too simple to be simple

多くの定義では素数を「$1$ より大きい正の整数のうち正の約数が $1$ と自分自身のみであるもの」としますが, いくつか最近思うところがあったのでメモしておきます. “up to 同伴” で同一視するんだからプラマイ含めて素数でいいじゃないか ($\pm2, \pm3,\do…

want more O1 to be C as well as O2 構文

少し前に議論になって自分で少し考えたのでメモしておきます。たぶん示唆的だと思うのでブログの記事としても公開しておきます。 とりあえず次の6つの文をご覧ください。# は適切なコンテクストを考慮する必要がある場合で、その判定は筆者と数人の友人で下…

IOL Sample Problems の誤植

IOL が無くなったとはいえ、JOL 用に勉強していた際に見つけた誤植を記しておくのは後世の方々に役立つと思うのでメモしておきます。リンクは https://ioling.org/problems/samples/ です。 Ancient Greek の (1) the donkey of the masterō は ō が余分 Ara…

【統計力学入門】ゴム弾性や断熱変化を題材として

この記事は, 学校の三学期の物理のために頑張って書いたものの期末試験がなくなったので無になったシケプリを供養したものです. $\gdef\excep#1{\left\langle #1 \right\rangle} \phantom{\excep{a}}$ 注意. 高校生を対象に落とし込んだ内容である以上, 学問…

誤読され続けてきた 2000年 慶應文学部 英語から見る to 不定詞の massive pied-piping

薬袋 (2003) で2000年の慶応文学部の問題が議論されていました. 色々思うところがあったのでメモしておきます. 以下の英文は, イギリスの小説家で元バーミンガム大学英文科教授の David Lodge (1935-) のエッセイ “Why Do I write?” (1986) である. とあり, …

なぜ弧度法は well-defined なのか?

数Ⅱの三角関数に入るといきなり「弧度法」という謎のシステムを理解しなければ三角関数の単元自体に全くついていけず数Ⅲの微積分では大惨事になるというのはよく知られていることです. しかし大抵の場合は「$180^{\circ}$ を $\pi$ としなさい」という本当に…

n! が平方数になることはあるのか?

補題1. (Bertrand の仮説) 任意の自然数 $n$ に対して, $n 命題2. $n!$ が平方数となるための必要十分条件は $n=0,1$ である. 証明. 十分性は明らか. $n \geq 2$ のとき $n!$ は素因数を少なくとも $1$ つもつので, 最大の素因数 $p$ を取ってこれる. $n!$ …

開成中算数 2015 を解き直してみた

この前ちょうど中学入試があって「そういえば当時の自分は算数で結構テンパったなぁ」と思い返したので、5年がけのリベンジをしてみました。 第 1 問 グダグダ書いてあるが、大事なのは $\langle (\cdot, \cdot) \rangle \colon \mathbf{Z} \times [0,1)_{\m…

TeXで複数個のタイトルを表示する方法: titling パッケージ

TeX

たとえば複数人で数学の雑誌を作ろうとする際に, タイトルを複数表示させることで体系的に管理したくなるのですが, 普通にやると一つしか表示されなくて悲しくなるはずです. いろいろ頑張っても良いし自分は今までそうしてきましたが, 頑張って探してみたら…

JOL2017-3 モンゴル語解説

問題設定 問題文は https://iolingjapan.org/pdf/jol2017.pdf にありますが、まとめますと 「流れ」 「日」 「水」 数字の「二」 数字の「八」 動詞の終止形語尾「(〜す)る」 「僕(は)」 「僕の」 「僕を」 「僕から」 にあたるモンゴル語を次の対訳から…

indexes と indices の違い

index はラテン語由来なので複数形はラテン語系の屈折と -es をつける英語由来の屈折とに分かれます。ODEでは plural indexes or especially in technical use indices, CamGEL (p. 1592) では With index the two plurals usually correspond to different …

古文の同格構文と英語の関係詞節の類似性

古文で同格の「の」という用語を一度は聞いたことがあるでしょう。有名なのが「白き鳥の、嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。」(伊勢9)です。以前より、古文の同格構文は英語の関係詞節に類似が見られると考えておりましたが、調べ…

as ~ as はイコールではない!

追記 普通に Huddleston & Pullum (2002) に説明がありました……ちゃんと通読して暗記しないとダメだなぁやっぱり…… In the absence of indications to the contrary, a scalar comparison of equality is interpreted as “at least equal”, not “exactly equ…