数年前に見た 2ch のスレを思い出しました。 viper.2ch.sc 現代数学のメインストリームたる代数幾何学の名著、ハーツホーンの定理 2.7.6 が話題になっています。 $X$ を Noether 環 $A$ 上の有限型のスキームとし, $\mathscr{L}$ を $X$ 上の可逆層とする. …
追記 1-04-02 で「might +動詞の原形」が過去に対する推量を表す場合があることを解説しています。1-02-05 の might be taken の might は「推量の might」ではなく「譲歩の might」ですから 1-04-02 の解説は当てはまりません とあり、この根拠となってい…
3.141 Der Satz ist kein Wörtergemisch. — (Wie das musikalische Thema kein Gemisch von Tönen.) Der Satz ist artikuliert. Ludwig Wittgenstein, Tractatus Logico-Philosophicus youtu.be ジョン・ケージが 4 分 33 秒 を作曲したのは(本人の意図がど…
[語誌]「以上」で示される基準に達しない場合は、「以下」あるいは「未満」を用いて表現する(「五人以上」⇔「四人以下・五人未満」)。現代語では「以下」は基準となる数値を含んでその数値を割る場合、「未満」は基準となる数値を含まないで、その数値を割…
The set $S$ gives rise to a subscheme (which let’s also denote by $S$) of $\mathbb{P} ^ 1 _ {\mathbb{Z}}$, . . . IMO 2017/6 via arithmetic geometry - MathOverflow 前に関係詞節が命令文になる?! - 空論上の砂、楼閣上の机。という記事を書きまし…
高校一年の頃に執筆したポエムが発掘されたので, 本ブログで供養することにしました. 改めて見てみると稚拙な部分が多く見受けられますが, 今の筆者の興味が急速に SGA1 に向かっていることを考えると, 本稿に自分の原点を見出せるように思えます. 概要 Pyth…
誰も書いている人がいないような気がしたので書いておきます. 定理. (中間値の定理の離散版) 整数 $a$, $b$ が $a 証明. 集合 $S\coloneqq \lbrace x \in \mathbf{Z} \cap [a, b] \mid f(x) 双対として $T\coloneqq \lbrace x \in \mathbf{Z} \cap [a, b] \m…
概要 無限降下法 解の公式 導出 1:平方完成 導出 2:対称性 感想 概要 【MathPower2017】 07_講演「ABC予想と新しい数学」 今でも 2017 年当時リアルタイムで視聴したときのことを思い出せます。あれからもう四年も経ったわけですが、個人的にはまだ四年し…
3.1. 層についての一般論 3.1. 層についての一般論 $X$ を (必ずしも分離的とは限らない) 位相空間とする. $\supset$ により順序付けられた $X$ の空でない開部分集合上に定義される集合の帰納系すべてを $X$ 上の集合の前層と呼ぶことを思い出そう (1.7 例 …
2.1. $\partial$ 関手と $\partial^*$ 関手 2.2. 普遍 $\partial$ 関手 2.3. 導来関手 2.4. スペクトル系列とスペクトル関手 2.5. 分解関手 2.1. $\partial$ 関手と $\partial^*$ 関手 $\mathbf{C}$ をアーベル圏, $\mathbf{C}'$ を加法圏, $a$ と $b$ を $a…
1.1. 圏 1.2. 関手 1.3. 加法圏 1.4. Abel 圏 1.5. 無限和と無限積 1.6. 図式圏と遺伝する性質 1.7. 図式シェマにより定まる圏の例 1.8. 帰納極限と射影極限 1.9. 生成子と余生成子 1.10. 入射的対象と射影的対象 1.11. 商圏 1.1. 圏 次のことを思い出そう. …
グロタンディーク全訳計画の第一弾: 1957 年に東北大学の東北数学雑誌で出版されたことから “Tohoku” の一語で呼ばれる Sur quelques points d’algèbre homologique (ホモロジー代数のいくつかの点について) です。
資料一覧 原文や英訳は Mateo Carmona 氏が運営する次のサイトをご覧ください。 agrothendieck.github.io ただし SGA4½ は載っていません。 現存する和訳の一覧は次の通りです。 Tohoku: ホモロジー代数のいくつかの点について EGA: 代数幾何学原論 EGA日本…
昨日、日本語同好会で話題になっていた記事がこちらです。 dot.asahi.com 仏語版の宣言文を見てみよう。 «Je proclame ouverts les Jeux de... (nom de l’hôte) célébrant la... (numéro de l’Olympiade) Olympiade des temps modernes.» 多賀教授は、「私」…
米語母語話者のニック・ノートン氏による非常に興味深いコメントを発見しました。 youtu.be 要約すると次の通りです。 微妙な差ではあるものの、I play guitar. は習慣的に、I play {the/a} guitar. は初めて、ギターを弾くことを意味するように感じられる。…
この前ちょっと話題になったことのメモ。下線部の構造はどうなっているのでしょう? The IOC has estimated around 85% of residents of the Olympic Village are vaccinated; that’s based that on what each country’s Olympic committee reports but is n…
いおり‐てん いほり‥【庵点】 箇条書の文書、連書の和歌、連歌、謡物、連署の姓名などの右肩に加える「〽︎」などの記号。庵形をしているのでいう。散文中に歌謡を引用する時にも使い、長唄などの歌謡の本では、段落のはじめを表わす。確認済み、注意をうなが…
語源を正しく楽しむためのジョークとして、色々と例を蒐集してみました。他にも例があったら是非コメントしてください。 表面に現れる「・」ではなく隠れていてもよい「-」にしたのは、表記法はあくまでも個人や時代の問題にすぎないからです。 フランス語の…
はじめに この前ふと Twitter を眺めていたら、薬袋善郎先生の「私家版 戦前入試問題で学ぶ英文解釈」シリーズ(67)が目に留まりました。普段はあまり見ていないのですが、今回は難易度が最高ランクだったので興味深く感じられ、じっくり考えてみました。実…
前にこんな記事を書きましたが, 空集合を位相空間に含める流儀を取るとき, それは何次元の多様体になるのでしょうか? www.all-for-nothing.com 微分構造は本質的でないので, ここでは位相多様体だけ議論すれば十分です. 自然数を $0$ 以上の整数とします. …
記憶がどんどん薄れていってしまう気がしたから、忘れないようにメモしておく。高校2年生ぐらいでゲームに飽きて全部譲ってしまって、今はニンテンドーアカウントも PlayStation Network のアカウントも Steam のアカウントも削除してしまったから、余計に記…
今年の四月に樺沢紫苑『ストレスフリー大全』を読んでいたらこんな一文があったのを思い出しました。 「ギバーになろう!」「見返りを求めずに人に与えなさい」と言っても、イエス・キリストのように完全な「自己犠牲」は私たち凡人には無理なのです。 実は…
位相空間論といえばブルバキですが、その定義は次のようなものです。 DÉFINITION 1. On appelle structure topologique (ou plus brièvement topologie) sur un ensemble $X$ une structure constituée par la donnée d’un ensemble $\mathfrak{O}$ de parti…
昔は「ギフテッドなんて胡散臭い非科学的なレッテルは廃止すべきだ」という態度を大して調べもせずに取っていたのですが、これを読んで今までの立場を全て撤回する必要があることを痛感しました。 haruaki.shunjusha.co.jp 何が胡散臭く感じられたかというと…
Nickelback は本当に何年聴いても飽きませんが、その代表曲の一つ Photograph もやはり名曲です。Dark Horse も名盤ですが、All The Right Reasons は本当に良いですね。 www.youtube.com その中に次のような一節があります。 If I was them, I wouldn’t let…
はじめに 中学生のときから不思議だと思っていたことをこの前ふと呟いたところ、どうやらほとんどの方がこの不思議さを理解できないことに気付きました。 よく英語の文法問題で A: I robbed the bank yesterday. B: Oh, did ___? に入る語を答えなさいってあ…
問題1. 平安前期の貴族の婚姻形態は妻問婚(通い婚)で、通うことが契ることを意味したとされるが、毎日通うということは毎日契ることを含意するのか、あるいは契らずに会うことがあり得るのか? という問題をだいぶ前に日本語同好会の友人が提起して、それ…
はじめに 「自分探し」は死語です。少なくとも10代でこの語を本気で使っている人は今まで見たことがありません。では若者が自らのアイデンティティを探すことを止めたかというと、もちろんそんなわけがなく、前よりも複雑で分かりにくい形態で「自分探し」が…
構造主義といえばクロード・レヴィ゠ストロース*1ですが、その主著『親族の基本構造』の第14章にはアンドレ・ヴェイユ(ブルバキの筆頭メンバー)が著した「いくつかの型の婚姻法則(ムルンギン型体系)をめぐる代数的研究について」という論文が収められて…
自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理作者:西多 昌規草思社Amazon ようやく “ガチ” の精神科の現場を垣間見ることができるような本を発見しました。対象読者は広範にわたっているものの、著者は特に「医療福祉系の学部を志望している若者」…